セカイカメラをほんの少し使ってみた感想。

巷で話題のAR(拡張現実)技術を体験できるアプリ「セカイカメラ」を使ってみた。
OSを3.1に更新し、わくわくしながらiPhone3GSへインストール。
千代田区の某駅近辺で、起動させて、数分間使用してみた。


雑居ビルが立ち並ぶ見飽きた風景を、セカイカメラを起動させたiPhoneの画面越しに見る。
すると「ふわふわ」・・・というより「フラフラ」と奇妙な吹き出しのようなもの「エアタグ」が浮いて見えた。
周辺のビルの名前や駅名が書かれていた。
思ったより数が多い。
駅やビルなどがランドマークとして、あらかじめ登録されているようだ。
不思議な感覚だ。
iPhoneをかざしたまま、ゆっくりと右に回転すると、エアタグは徐々に左に流れていく。
そこにないものが、実在するような錯覚に陥る。思わずニヤニヤしてしまう。
ランドマークのエアタグは、実際の建物などが存在する方向とは、微妙にズレて表示される。
しかし、北側にあるものが南側に表示される訳ではない。なので、まぁ、誤差の範囲内なんだろう。


セカイカメラでは、利用者が自分でエアタグを作成することができる。
エアタグの投稿を通して、利用者もこの世界の構築に携われる点に、醍醐味があるようなのだが・・・。
幾つか気になった点があった。
まず、個人が投稿したエアタグの中で、会社の同僚っぽい人の顔写真を載せている人がいたこと。
・・・あれはOKなんだろうか。
被写体の同意も得ずに勝手に載せているとしたら、問題があると思うんだけれど。
次に、飲食店の従業員の態度が悪いという内容の文句を書いたエアタグを付けている人がいたこと。
ちょっとした文句程度なら、直ちに問題になることはないだろうが、内容によっては営業妨害になりかねない。
投稿者本人が訴訟沙汰に巻き込まれるのは、自分でまいた種だと思うが、運営会社まで巻き込まれたら大変だろう。
こうした個人情報流出や各種権利侵害に対する対応は、どうするのだろうか。
投稿者のモラルに任せる、では済まないように思うのだけれど。


なお、ARが何かよく分からない人には、「電脳コイル」っぽいヤツだ、と説明すると、分かる人には分かるらしい。
電脳コイルを見てなかったので、私にはよく分からないんだが。)


使ってみて、半日おいてみた感想としては、最初の数分は楽しいけれど、意外と早く飽きてしまうように感じた。
初めて見た瞬間は「おぉ・・・」と思う。
ただ、ランドマークと個人が投稿したテスト的なエアタグしかない現状では、長時間見ても面白くないのだ。
ここら辺は、始まったばかりだから仕方ないのだろうけれど。
現状でも、普段生活している場所以外に出かけたりしたら、また楽しめるのかもしれない。


大きな可能性を秘めた技術だと思うので、この先の展開には大いに期待したい。
セカイカメラの詳細は、公式ウェブサイトSekai Camera Support Centerや、各種記事で見るとより分かりやすいかも。


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秋葉原が凄いらしいので、今度行ってみようか・・・。